「樅型」キットの工作ポイント総まとめ – 1/700で樅型駆逐艦をつくる: 23

「樅型」キットの工作ポイント総まとめ

今回は、過去の22回 (←!!) の記事の総集編。

過去記事全部読むのは面倒臭ェよ、と云う人も、この記事を見れば何をやったか概ね判る筈?

より詳しく知りたい、という奇特な方は、各項目に張ったリンク先を読まれたし。


キットの概要

「樅」のキットのチェックポイントは大きく分けて2つある。
ひとつ目は、船体寸法の読み間違い等により、全長と水線幅が不足しているのに対し、乾舷や砲座はやや高く、腰高なシルエットになってしまっていること。

ハセガワ製の1/700駆逐艦「樅」のキットの修正前後を、左舷から比較
クリックすると拡大。素組状態との比較。キットに比べて、少し足が速そうに見える?

写真でお判りの通り、キットは寸足らず故に、おもちゃ的と云うか、可愛らしいシルエット。
正確さにこだわりが無いなら、これはこれで立体物としては良い味わいが有る。
ちなみに煙突と前後檣の傾斜は、模型映え優先でやや強調しており、実はキットの方が正確。

もうひとつは、「樅型」と、箱替えの「若竹型」、そして、一般計画要領書記載の「蔦型」の3形式の区別が曖昧なまま、折衷的な設計になっていることである。

※ 基本計画番号「F37A」「F37B」にあたる「菊」~「蓼」の13隻。
福井静夫氏著作では「樅型」の「草冠グループ」、岩重多四郎氏著作では「m-mid」「m-late」(何で英語表記なんだろう……?) と表記されている。

今回の製作では、製作序盤で判明した上記問題の解消+スケールなりのディテールや仕上のバランスをどうとるか、という部分を主題に作ってみた。

ハセガワ製の1/700駆逐艦「樅」のキットの修正前後を、上方から比較
これもクリックで拡大。左から、「蔦型」の「蓮」、「樅型」の「栂」、そして「樅」の素組。

ハセガワ製の1/700駆逐艦「樅」のキットの改修点
拡大シリーズ最後。スクラッチに近い事をしたような気がしていたが、こうしてみると意外とキットの形状が残っているような。

船体

ハセガワ製の1/700駆逐艦「樅」の、船体延長前後の比較
延長前と並べると、割と印象が違う。

ハセガワ製の1/700駆逐艦「樅」の、船体延長と形状修正工作
乾舷を下げて、腰を落とした感じに。

スジボリ+スミ入れによるリノリウム目地の表現
凸モールド以外でリノリウム目地表現をしてみたかった。

艦橋・上部構造物

ハセガワ製の1/700駆逐艦「樅」と、「樅」を改造した「蔦型」の、艦橋回りの細部工作
奥が「蔦型」手前2隻が「樅型」。艦橋内部も、機銃パーツ等で多少ディテールを入れてみた。

ハセガワ製の1/700駆逐艦「樅」の、上部構造物基本寸法
上部構造物の形状そのものは、単純な直方体の集まりなので、作り直しはさほど難しくない。

砲熕 (ほうこう) 兵装

ハセガワ製の1/700駆逐艦「樅」の、1番砲座部分の解釈の誤り
砲座の段落ち修正は、手間が掛からない割に見た目の印象が変わるのでおススメ。

水雷兵装

ハセガワ製の1/700駆逐艦「樅」をベースにした、「栂」「栗」「蓮」の艦尾兵装の違い
意外と艦毎に装備が違う。

短艇

仕上げ

空気遠近法を加味した、1/700「樅型」駆逐艦の配色
一覧にしてみると、思いの外、使っている色が多いな。


ダイジェスト版でも長かった……。
なんつーか、武装パーツを使ったセミスクラッチだよね、コレ。どうしてこうなった。
それでは、まとめの最後に、開始当初の私の戯言で締めてみよう。

数年ぶりに模型製作 – 1/700で樅型駆逐艦をつくる: 序より、「そこそこ省略の効いた小スケールのフネを~」

そこそこ省略……ねえ?

「「樅型」キットの工作ポイント総まとめ – 1/700で樅型駆逐艦をつくる: 23」への2件のフィードバック

  1. >昨日ぐらいから、ブログのアクセス数が突然倍以上に増えていて、戸惑いを隠せない。
    何があったし。
    燕雀洞様初めまして、艦艇模型好きで当サイトの連載を楽しみにしている者でbingenと申します。
    すいません、昨日某大型掲示板で「樅型駆逐艦を作りたいが資料が無い」とのカキコがあったので「このサイトが参考になるよ」と書き込んじゃいました。恐らくアクセスの急増はそのせいではないかと。お気に障られるようでしたら謝ります。とりあえず不安に思っていらっしゃる様でしたのでご報告まで。

  2. bingen様
    はじめまして。
    コメントありがとうございます。
    なるほどなるほど、そういった経緯でしたか。
    一日数十アクセスの泡沫ブログですので、ご紹介いただく分には大歓迎でございます。
    自分も日々資料不足に悩まされておりますので、多少なりとも誰かの役に立てるようでしたら幸いです。
    かなり不定期ですが、これからも模型製作の息抜きなどの折にお読みいただければ幸いです。あと、ご紹介いただく分には (以下略

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